Date2026.03.24

資生堂のユニフォーム刷新「KASANE」に学ぶ|ブランド価値を高める制服デザイン戦略とは

資生堂のユニフォーム刷新「KASANE」に学ぶ|ブランド価値を高める制服デザイン戦略とは

資生堂が美容部員のユニフォームを刷新

2025年、企業ユニフォームのニュースの中でも特に注目された出来事のひとつが、資生堂による美容部員ユニフォームの刷新です。世界的なビューティーブランドであるSHISEIDOは、新しいユニフォーム「KASANE」を発表し、順次店舗で導入を進めると報じられました。
https://www.fashionsnap.com/article/2025-09-02/shiseido-uniform/

資生堂はこれまでも、美容部員の制服をブランド表現の一部として大切にしてきた企業です。化粧品ブランドにおいて、美容部員は単なる販売員ではありません。ブランドの価値や美意識を体現する存在であり、店舗を訪れたお客様にとって最初に接する「ブランドそのもの」とも言える存在です。だからこそ、彼女たちが身にまとうユニフォームは、広告や店舗デザインと同じくらい重要な意味を持ちます。

日本の美意識「重ね」から生まれた制服デザイン

今回の新ユニフォーム「KASANE」は、日本の伝統的な美意識である「重ね」という概念から着想を得たデザインとされています。服の構造に奥行きやレイヤーを持たせることで、日本らしい静かな美しさを表現しています。
https://www.wwdjapan.com/articles/2195368

派手な装飾で目立つのではなく、動きや立ち姿の中で自然に美しさが立ち上がる設計。この考え方は、現代のブランドユニフォームを考えるうえで非常に象徴的です。ユニフォームは単に「社員が揃って着る服」ではありません。むしろ重要なのは、その企業の思想や文化を静かに伝えることです。どんな企業で、どんな価値観を持ち、どんな顧客体験を提供したいのか。その空気感がユニフォームから自然に伝わるとき、初めて制服はブランドの一部になります。

ユニフォームはブランドの第一印象を決める

高級ブランドの店舗では、お客様が商品を購入する前にまず目にするのはスタッフです。店舗に足を踏み入れた瞬間、顧客は無意識のうちにスタッフの立ち姿や服装からブランドの雰囲気を感じ取ります。洗練されたユニフォームは、言葉を発する前から安心感や信頼感を生み出します。逆に、どこか古く見える制服やブランドと合っていない服装は、接客の質とは関係なくブランド全体の印象を下げてしまうこともあります。ユニフォームが持つ影響力は、企業が想像している以上に大きいものです。広告やSNSの投稿は一瞬で流れてしまいますが、店舗で働くスタッフの服装は日々顧客の目に触れます。つまりユニフォームは、広告よりも長い時間ブランドを伝え続けるメディアとも言える存在なのです。

制服の刷新はスタッフの意識も変える

ユニフォームの影響は顧客だけにとどまりません。新しい制服を導入すると、社員の意識が変わることも多くの企業で報告されています。自分が着ている服に誇りを持てるかどうかは、働く姿勢に大きく影響します。整ったユニフォームを着ることで、仕事への意識が自然と引き締まり、接客やサービスの質が向上するケースも少なくありません。採用の観点から見ても、ユニフォームは重要な要素になっています。近年は、働く環境やブランドイメージを重視する求職者が増えています。制服が魅力的な職場は、それだけで働きたいと思わせる力を持っています。企業の文化や美意識を象徴するユニフォームは、採用ブランディングの一部としても機能するのです。

WANSIE UNIFORMが考えるユニフォーム設計

WANSIE UNIFORMでは、ユニフォームを単なる業務服としてではなく、「企業の思想を可視化するデザイン」として考えています。ホテル、レストラン、ショップ、企業受付など、業種ごとに求められる印象や空気感は大きく異なります。ブランドの方向性を理解したうえで設計されたユニフォームは、企業の魅力を自然に伝える力を持ちます。また、ユニフォームは日々の業務で使用されるものです。見た目の美しさだけでなく、動きやすさや耐久性、メンテナンス性も重要になります。長期間着用されることを前提に、現場でストレスなく使える設計を行うことも欠かせません。ブランド性と機能性、その両方を高いレベルで成立させることが、良いユニフォームを作る条件だと私たちは考えています。

ユニフォーム刷新は企業の転機になる

企業がユニフォームを見直すタイミングはさまざまです。ブランドリニューアル、新店舗オープン、周年記念、組織改革など、企業の転機に合わせて制服を刷新するケースが多く見られます。ユニフォームを変えることは、企業の新しい姿を外部に示す強いメッセージになります。資生堂の新ユニフォーム「KASANE」が示しているのは、制服は単なる衣服ではなく、ブランドの思想を体現する重要な存在だということです。企業の世界観を形にし、スタッフの誇りを支え、顧客体験を豊かにする。ユニフォームには、そのような力があります。もし現在のユニフォームが長年変わらないままになっているとしたら、それはブランドを見直すひとつのきっかけかもしれません。企業の価値を高めるユニフォームを設計すること。それがWANSIE UNIFORMの仕事です。


参考URL

SHISEIDOが販売員ユニフォームを刷新
https://www.fashionsnap.com/article/2025-09-02/shiseido-uniform/

WWD JAPAN
https://www.wwdjapan.com/articles/2195368