シュークリームのヒロタのリブランディングに学ぶ、100年ブランドの“変え方・変えなさ”
老舗ブランドは、なぜ今リブランディングを行ったのか
2023年から2024年にかけて、老舗洋菓子ブランドである洋菓子のヒロタが行ったリブランディングは、多くのマーケティング関係者の注目を集めました。創業100周年という節目に合わせたこの取り組みは、単なるロゴ変更やデザイン刷新ではなく、「ヒロタとは何か」を改めて定義し直す試みだったからです。
広告業界やブランディングメディアで語られている通り、今回のヒロタのリブランディングのキーワードは「懐かしくて、新しい」。長年親しまれてきたシュークリームの記憶や安心感を壊すことなく、若い世代にも自然に届く表現へと整え直す。そのために選ばれた手法は、過剰な演出ではなく、日常の見え方を丁寧に再設計することでした。
https://www.the-hirota.co.jp/
ロゴやパッケージ以上に重要だった「現場の見え方」
今回のリブランディングでは、カタカナ表記の「ヒロタ」ロゴや、レトロモダンなパッケージデザインが話題になりました。しかし本質は、そこに留まりません。旗艦店のオープンや店舗空間の設計、商品との距離感、そして店頭に立つ人の佇まいまで含めて、ブランド体験全体が見直されています。
ヒロタは、ブランドを語る場所を広告やコピーの中ではなく、「お店に立つ人」と「その装い」にも置いています。商品を受け取る瞬間、スタッフと目が合う一瞬。その体験の積み重ねが、「やっぱりヒロタは信頼できる」という感覚を更新し続けています。
ここで注目すべきなのは、ヒロタが“新しく見せよう”としすぎていない点です。制服や装いもまた、急激に変化させるのではなく、清潔感と誠実さを軸に、今の空気感に寄せて整えられています。これは、老舗だからこそできる慎重で誠実な選択です。
リブランディングとは「変えること」ではなく「揃え直すこと」
近年のリブランディング事例を見渡すと、共通しているのは「大胆な刷新」よりも「ズレの修正」です。たとえば無印良品も、ロゴは変えずに店舗体験やスタッフの装い、接客トーンを通じてブランドの再定義を続けています。
丸亀製麺も同様に、空間や体験の再設計を進める中で、スタッフの見え方を重要な要素として扱っています。
ヒロタのリブランディングは、これらと同じ流れの中にあります。ブランドの中核を変えず、むしろ「現場にある要素」を丁寧に揃え直す。その中でユニフォームや装いは、最も分かりやすく、最も裏切らないメディアとして機能します。
ユニフォームは、ブランドの“現在地”を無言で伝える
人は企業を評価するとき、無意識のうちに「今の会社かどうか」を見ています。歴史があること自体は強みですが、それが古さとして伝わってしまえば逆効果になります。ヒロタが行ったのは、歴史を誇示することではなく、「今も続いているブランドである」ことを自然に伝える設計でした。
ユニフォームは、その役割を静かに担います。派手なコピーも説明もなく、「ちゃんとしている」「信頼できそうだ」という印象を、毎日更新し続ける。これは広告では代替できない力です。
BtoB企業にとってのヒロタの示唆
一見すると、ヒロタの事例はBtoC企業向けに見えるかもしれません。しかし本質は、BtoB企業にこそ当てはまります。取引先が最初に見るのは、現場です。オフィス、店舗、作業現場、イベント会場。そこで働く人の装いが、そのまま企業の姿勢として受け取られます。
リブランディングを考えるとき、多くの企業はロゴやWebサイトに目が向きがちです。しかし、ヒロタが示しているのは、「人が立つ場所」を整えることの重要性です。ユニフォームは、企業が日常的に発信している最もリアルなブランドメッセージだと言えるでしょう。
WANSIE UNIFORMが考える「変えすぎない更新」
WANSIE UNIFORMでは、ユニフォームを一度作って終わりの制作物とは考えていません。企業のフェーズや社会の空気に合わせて、少しずつ整え直されていくものだと捉えています。完全に変えるのではなく、今の企業にふさわしい状態へ揃え直す。その考え方は、ヒロタのリブランディングとも深く重なります。
信頼は、一度作って終わるものではありません。毎日の現場で、静かに更新されていくものです。ユニフォームは、その更新を最も誠実に支える存在です。広告に頼らず、時間を味方につけてブランドを育てたい企業にとって、装いの設計は重要な経営判断になります。
WANSIE UNIFORMは、その判断に寄り添い、企業の「今」を正しく伝えるユニフォームを共につくっていきたいと考えています。


