Date2026.01.20

vol.3ユニフォームに隠されたマーケティングの力

採用と定着を変える──「着たいユニフォーム」が生むインナーブランディング効果

ユニフォームは、社外だけでなく社内にも向けたメディアである

ユニフォームを広告媒体として考えるとき、多くの企業は「社外への露出」に目を向けます。しかし、実は同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが、社内に向けた効果です。ユニフォームは、社員やスタッフが毎日身につけるものであり、企業の価値観を最も近い距離で伝え続ける存在でもあります。

採用が難しくなり、人材の定着が課題となっている今、ユニフォームは単なる服装規定ではなく、「この会社で働く自分をどう感じられるか」を左右する要素になっています。着たいと思えるか、誇りを持てるか。その感覚は、想像以上に人の選択に影響を与えます。

スターバックスが示す「ユニフォーム=役割意識」の強さ

インナーブランディングの視点で語る上で欠かせないのが、スターバックスです。スターバックスでは、スタッフを「パートナー」と呼び、ユニフォームであるエプロンを単なる作業着として扱っていません。

スターバックスジャパンの公式情報でも語られている通り、エプロンは「ブランドの顔」であり、「一杯のコーヒーを通じて人と向き合う存在」であることを示す象徴です。
https://www.starbucks.co.jp/aboutus/company_information/

エプロンを身につけることで、スタッフは自分の役割を自然と意識します。その意識が、接客の姿勢や言葉遣いに表れ、結果としてブランド体験の質を押し上げます。ここでは、ユニフォームが社外広告である以前に、行動を変える内部装置として機能しています。

「この服で働きたい」が採用の入口になる

スターバックスの店舗で働く姿を思い浮かべたとき、多くの人が一定のイメージを共有しています。そのイメージは、仕事内容の詳細を知らなくても、「なんとなく良さそう」「ちゃんとしていそう」という感覚につながります。この感覚こそが、採用における最初のフィルターです。

求人広告にどれだけ情報を載せても、「そこで働く自分」を想像できなければ、人は動きません。ユニフォームは、その想像を一瞬で補完します。着たい、似合いそう、誇れそう。その直感が、応募の動機になります。

無印良品に見る「らしさ」が定着を生む構造

もう一つ、インナーブランディングの好例として挙げられるのが、無印良品です。無印良品のユニフォームは、主張を抑えたシンプルな佇まいで、商品や空間と強く調和しています。

無印良品の公式サイトでは、ブランド哲学として「しるしの無い良い品」が語られています。
https://www.muji.com/jp/ja/about/philosophy/

この哲学は、ユニフォームにも一貫して反映されています。派手さはありませんが、「無印良品の一員であること」が自然に伝わる。この一貫性が、スタッフの帰属意識を育てます。

ユニフォームは「辞めにくさ」をつくる

インナーブランディングとしてのユニフォームが持つ最大の力は、「辞めにくさ」にあります。ここで言う辞めにくさとは、拘束ではなく、心理的なつながりです。自分がその会社の一部であると感じられる状態は、簡単に手放せるものではありません。

スターバックスや無印良品のスタッフが、ブランドへの共感を語る場面が多いのは偶然ではありません。ユニフォームを通じて、価値観が日常的に刷り込まれているからです。これは、外部広告では決して代替できない効果です。

WANSIE UNIFORMが考える「人が集まり、続く」ユニフォーム設計

WANSIE UNIFORMでは、ユニフォームを「人を管理するための服」ではなく、「人が残りたくなるための服」として設計します。着心地、佇まい、周囲からどう見られるか。そのすべてが、働く人の心理に影響します。

採用コストや教育コストが上がり続ける中で、ユニフォームは静かに、しかし確実に企業の基盤を支えます。広告費をかける前に、まず社内の体験を整える。その視点こそが、長期的なマーケティングにつながります。