Date2026.01.15

vol.2ユニフォームに隠されたマーケティングの力

佐川急便に学ぶ「一瞬で覚えられる」ユニフォームの設計思想

ブランドは「説明される前」に識別されている

街を歩いていて、遠くからでも一瞬で分かる企業があります。ロゴを読まなくても、文字を確認しなくても、「あ、あの会社だ」と認識できる。この瞬間的な理解こそが、マーケティングにおいて非常に強い力を持ちます。

人は、立ち止まって情報を読み取る前に、無意識のうちに判断をしています。その判断材料として大きな役割を果たしているのが、色とシルエット、そして佇まいです。ユニフォームは、まさにその無意識の判断に直接働きかける媒体だと言えるでしょう。

佐川急便のユニフォームが「遠くからでも分かる」理由

この「瞬間認識」を極めて高いレベルで実現している企業が、佐川急便です。街中で佐川急便のスタッフを見かけたとき、多くの人はロゴを見る前に「佐川だ」と認識します。その理由は明確で、ユニフォーム全体が強い視認性を持つ設計になっているからです。

ブラウンを基調とした色使いは、他の配送業者と明確に差別化されています。さらに、上下の統一感やシルエットの一貫性によって、「動いている状態」でも企業が識別できる。この設計が、佐川急便を街中で非常に覚えやすい存在にしています。
https://www.sagawa-exp.co.jp/company/

「色」がマーケティングになる瞬間

佐川急便のユニフォームを語る上で欠かせないのが、色の力です。ブラウンという色は、派手さや軽さとは無縁ですが、落ち着きや堅実さ、信頼感を想起させます。この色が、配送という業務内容と非常に相性が良いことは、直感的にも理解しやすいでしょう。

ここで重要なのは、色が単なるデザイン要素ではなく、ブランドの性格を語っている点です。佐川急便のユニフォームは、「確実に運ぶ」「責任を持つ」という姿勢を、言葉を使わずに伝えています。色そのものがメッセージになっているため、説明や広告コピーを必要としません。

視認性は「広告費をかけない認知形成」につながる

マーケティングでは、認知を獲得するために多額の広告費が使われます。しかし、佐川急便のように、街中で繰り返し視界に入るユニフォームは、広告費をかけずに認知を積み重ねていきます。

毎日の通勤路、オフィス街、住宅街。そのあらゆる場所で、同じ色、同じ佇まいのスタッフを目にすることで、「見慣れた存在」になります。この見慣れは、安心感へと変わり、最終的には選択のしやすさにつながります。ユニフォームは、認知から信頼へと至るプロセスを、非常に静かに支えています。

「一瞬で分かる」ことがBtoBで強く働く理由

BtoBの取引においても、人の判断は意外なほど感覚的です。資料や条件を比較する前に、「この会社は大丈夫そうか」という第一印象が形成されます。その印象を左右する要素のひとつが、現場で目にするスタッフの装いです。

佐川急便のユニフォームは、街中での視認性を通じて、「きちんとしている会社」「業務が整理されている会社」という印象を自然に植え付けています。これは、広告で作られたイメージではなく、日々の業務の中で繰り返し確認される現実の姿です。だからこそ、信頼につながりやすいのです。

ユニフォームは「説明を省く」ための装置になる

優れたユニフォームは、企業が自らを説明する手間を減らします。名刺交換の前、Webサイトを見る前、問い合わせをする前に、「なんとなく知っている」「見たことがある」という状態をつくる。その時点で、企業はすでに一歩リードしています。

佐川急便の事例が示しているのは、ユニフォームが広告として機能するとは、目立つことではなく「迷わせないこと」だという点です。一瞬で分かる、一目で伝わる。その積み重ねが、ブランドを強くします。

WANSIE UNIFORMが考える「瞬間認識」を前提にしたユニフォーム設計

WANSIE UNIFORMでは、ユニフォームを設計する際に、「遠くから見たときにどう見えるか」「動いているときに識別できるか」を重視しています。ロゴを読まなくても伝わる要素をどこに持たせるか。その設計次第で、ユニフォームは広告費を使わずに機能し始めます。

佐川急便のように、色と佇まいで覚えられるユニフォームは、企業規模に関係なく応用可能です。重要なのは、有名かどうかではなく、一貫性を保てているかどうかです。ユニフォームは、企業が毎日発信している視覚メッセージです。そのメッセージを意図的に整えることで、街中は静かな広告空間へと変わります。