Date2025.09.23

Vol.1|ユニフォームに企業のストーリーを組み込む方法―スターバックス・IKEA・マクドナルドに学ぶ「読みやすく、伝わる」設計術

Vol.1|ユニフォームに企業のストーリーを組み込む方法―スターバックス・IKEA・マクドナルドに学ぶ「読みやすく、伝わる」設計術

この記事でわかること

  • ・創業理念や歴史を“着る言語”に翻訳する手順
  • ・実在企業のストーリー実装(Starbucks/IKEA/McDonald’s)
  • ・WANSIE UNIFORMの実装フレーム(現場で使える型に落とし込み)

1. ストーリーは「3秒で伝わる」ように分解する

ユニフォームは、色・ライン・所作・素材で企業の約束を伝える視覚言語です。まずは理念や歴史を「3秒で伝わる記号」に分解しましょう。

①色:創業色・コーポレートカラー・安全色の三層運用
②ライン:ロゴや象徴(矢印/鶴/波形など)を抽象化しステッチへ
③所作:名札・端末・ポケットの位置は“動線”から逆算
④素材:ブランドの気質(誠実=マット、革新=ストレッチ)を触感で演出

Point:SNSや動画で“同じ見え方”になるか。写真検証は必須。


2. 事例で学ぶ「理念→服」への翻訳

2-1. Starbucks|グリーンエプロンを“世界共通の記憶”に

Starbucksは緑のエプロンをブランドの主役に据え、2025年北米のドレスコードを簡素化。黒やカーキなどベーシックな配色に絞り、どの店でも同じ体験を強化しました(「アイコニックなグリーンエプロンが際立つよう進化」)。

①ストーリーの核:緑のエプロン=“Welcome Back”の合図
②実装の肝:トップスの色指定を絞り、視覚ノイズを徹底削減
③示唆:色の一貫性は国境を越える安心感を生む

また、バリスタの物語を伝える公式連載「Behind the Green Apron」や、産地体験(Origin Experience)のストーリー発信により、働き手の成長物語とエプロンが強く結びついています。


2-2. IKEA|青×黄を「働く物語」と「循環」につなげる

IKEAは2019年に新しいコワーカー服を公開。青×黄という象徴色を守りつつ、現場で動きやすい仕様とサステナ素材(再生ポリエステル、テンセル等)を明示しました。

①ストーリーの核:“スウェーデンらしさ”と“実用”の両立
②実装の肝:素材に理念(節度・循環)を織り込む
③示唆:色と素材が企業文化の翻訳になる

さらに2024年には、使用済み制服を回収・再資源化した**「VÄXELBRUK」**をローンチ。制服そのものが循環の語り部として機能する構造を作りました。


2-3. McDonald’s|“選べる統一感”で14,000店舗を運用

マクドナルドは2017年、Waraire Boswell/Bindu Rivasと協働し、2つのコレクションを全米約14,000店舗へ展開。店ごとの選択肢を残しつつ、色調とシルエットの設計ガードで一貫性を確保しました。

①ストーリーの核:現代的でクール、誰にでも似合う
②実装の肝:厨房・客席・SNS写真のどの距離でも破綻しない無彩色基調
③示唆:“可変の幅”に上限を設ければ運用が安定


3. WANSIE式「ストーリー縫製」6ステップ

  • ①理念の一句化:創業理念を12〜18字で要約(例:日常に驚き)。
  • ②象徴の抽出:色・モチーフ・年号・スローガン・地名を棚卸し。
  • ③設計への翻訳:Core(世界共通)/Local(地域適応)の二層で仕様書化。
  • ④型紙×動線:主要20動作を撮影・計測し、所作が美しく見えるパターンに。
  • ⑤章位制度:技能・接客・安全をバッジ/ステッチで段階表示(憧れの可視化)。
  • ⑥検証と更新:3都市A/Bテスト(暑熱・寒冷・本国)→写真・洗濯・破損ログで四半期更新。

4. すぐ使える“実装レシピ”

  • 隠れストーリー:襟裏や見返しに創業年・地名を刺繍(着るたび理念想起)。
  • 触感の一貫:ブランドが“誠実”ならマット織、“俊敏”なら高伸度混
  • 名札の正解:右胸上に役職→名前→資格章で視線導線を最短化。
  • 写真基準:屋内蛍光灯/自然光/夜景スマホで色再現テストを実施。

5. まとめ——物語は“毎日、同じように”届いて価値になる

Starbucksの緑エプロン、IKEAの青×黄、McDonald’sの選べる統一感。これらは、理念→服→所作→写真がループし、“同じ印象”を世界で再生する仕組みです。
WANSIE UNIFORMは、理念の翻訳から型紙・量産・教育・KPI設計(CSAT/NPS・洗濯耐久・再資源化率)まで、ストーリーが毎日伝わるユニフォームを伴走します。